ベトナム、ミャンマーだと約40〜55万円/人月、インド、バングラ、フィリピンで約60〜75万円/人月、中国が約85万円/人月と、各国によって単価にはバラつきがあります。
人月単価 (万円) | プログラマー | シニアエンジニア | ブリッジSE | PM |
---|---|---|---|---|
中国 | 50.51(+20.00%) | 61.79(+18.68%) | 79.29(-6.48%) | 92.14(7.43%) |
ベトナム | 40.22(+26.75%) | 49.13(+23.20%) | 57.73(+12.44%) | 79.38(+37.00%) |
フィリピン | 35.83(-1.15%) | 53.33(+7.46%) | 81.25(+14.32%) | 70.83(+7.60%) |
ミャンマー | 27.47(+12.25%) | 54.16(+42.96%) | 68.33(+40.63%) | 97.50(+55.23%) |
バングラデッシュ | 44.13(+48.90%) | 46.13(+16.38%) | 90.96(+30.62%) | 58.63(+27.27%) |
インド | 50.83(+46.41%) | 68.75(+33.34%) | 94.29(+38.72%) | 111.43(+32.81) |
* 括弧内の数値は昨対比
* 出典:「オフショア開発白書(2023年版)」
上記の表は、2023年最新のブリッジSE(BrSE)各国人月単価を取りまとめたものです。
ブリッジSE(BrSE)の人月単価は、ベトナム 57.73万円、中国 79.29万円、フィリピン 81.25万円、インド 94.29万円、ミャンマー 68.33万円、バングラデシュ 90.96万円となっています。
ご覧の通り、ほとんどすべての国と職種において単価が上昇に転じています。2022年を通した円安の影響が色濃く反映されていることが見てとれます。
ここ数年の傾向としては、全体的な単価上昇のなかでも、リソースが拡大傾向の国・職種において部分的に単価が減少に転じるところもありました。オフショア開発先の国の多くでは、IT産業が成長を続けており、リソースが豊富になっています。IT産業の成長に伴った人件費の伸びがありますが、同時にリソースが潤沢となったり、人材が成長することで単価が減少に転じたというのが部分的に単価が減少に転じる背景でした。今回はそうした単価減少がほとんど見受けられないほどに、円安の影響が大きかったと考えられます。
そもそもブリッジSE(BrSE)とは?
オフショア開発において海外の開発企業と日本企業との間で橋渡し役となるシステムエンジニアのことです。言語や文化、商習慣が異なる海外と開発プロジェクトを進めるために、ブリッジSE(ブリッジエンジニア)がコミュニケーターやプロジェクトの管理・調整などを務めるのです。
上述の単価上昇は、不足するIT人材の確保やコスト削減を目的に、ITアウトソースをする国内企業が増加しているため、ブリッジSE(BrSE)の需要が急増していることが要因です。
英語を得意とする…フィリピン、インド、バングラデシュ
特に単価が高いフィリピン、インド、バングラデシュについては、英語を公用語としていることから欧米向けに開発をしているエンジニアも多く、ビジネスレベルで日本語を扱えるエンジニアが希少です。そのためブリッジSE(BrSE)の人月単価が高くなっています。
日本語教育が盛ん…ベトナム、ミャンマー
ベトナムやミャンマーは日本市場を向いてビジネスをするIT企業が多く、日本語教育にも積極的に取り組んでいます。経済成長が著しいベトナムでは単価上昇トレンドですが、人材が充実しているため、比較的安価な費用でブリッジSE(BrSE)を提供しています。
高度IT人材の確保先…中国
いまや世界トップのIT大国に躍り出た中国では、日本のオフショア開発案件を受託するより、中国国内の開発の方が規模・利益が大きいために、国内市場を向いているIT企業が圧倒的に多い状況です。急速な経済成長に伴い、人件費も高騰しており、上記6カ国では最も高い単価になっています。従来のコスト削減を目的とするオフショア開発は、中国では縮小していくでしょう。逆にAIやブロックチェーンなどの先端テック、技術力が求められる開発において、中国の高度IT人材を確保する流れが生まれてます。
さて、上述の通りSEの能力に加え、プロジェクトマネージャーとしての能力、そして言語力が求められるため、ブリッジSE(BrSE)は給与面でも良い待遇を受けることになります。彼らの能力がオフショア開発の成否を左右すると言っても過言ではないため、その待遇も頷けるものです。
スキルや能力の差が激しい人材層であるため、優秀な人材かどうかの見極めには注意が必要です。大きなリスクを背負わないためにも、一度小さめの案件をテストとして発注し、ブリッジSE(BrSE)の能力を評価してみてもいいかもしれません。
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