技術力が急速に向上しているオフショア開発……開発企業によっては日本国内の開発ベンダ以上に高難度なプロジェクトに取り組んでいる会社も少なくありません。
オフショア開発といえば、比較的簡単な開発工程を切り分けてITアウトソースするといった、従来の《コスト削減》を目的としたイメージが強いかもしれません。
しかし、いまや最適な《開発リソース確保》といったグローバルソーシングの意味合いが強まっています。
そこで、オフショア開発企業が今まさに取り組んでいる最新の開発事例を紹介し、海外での開発の現状について知っていただければと思います。
まず今回は《医療業界編》ということで、医療業界における最新のオフショア開発事例のご紹介です。なお情報提供はベトナムに開発拠点をおく、Hitachi Vantaraよりいただいています。
■ 概要
米国でヘルスケアサービスを提供する総合病院がクライアントの開発案件です。
この病院は米国では最大規模の病院ベースの研究拠点でもあり、世界をリードする研究施設となっています。
開発対象のシステムは、15年以上経過したテクノロジーに基づいて設計・実装されたシステム、インフラ、アーキテクチャー。ハードウェア、OS、サードパーティ・ライブラリはサポートが終了してしまうことから本プロジェクトがスタートしました。
■ チャレンジ
・新しい臨床ワークフローへのサポート
・アプリケーションを新しいプラットフォームに移行
・他の臨床システムとのシステム統合
・二重散乱 (DSCAT)とペンシルビームスキャン(PBS)の2種類の治療法に対応
■ ソリューション
オフショア側(Hitachi Vantara)では、製品の設計、開発、統合および機能強化のために、エンジニアとテスターを提供。ラボ型開発でプロジェクトに対応しました。
・データ取得のためのミドルウェアとデバイス通信の開発
・強化されたUX/UIでさまざまなタイプの臨床セッションを効果的にサポートできるよう再設計された、刷新技術を適用
・アプリケーションを新たなハードウェアプラットフォームとOSに移植、移行、統合
■ 提供価値
・拡張性が高く、医師が治療のスケジュールを立案し、結果を監視、処方データを更新することで、患者の治療進行に適応できました。
・システムのメモリフットプリントとパフォーマンスが向上しました。
・スピーディに開発することで、製品のリリースサークルを短縮できました。
■ 使用技術
・C / C+, Python, lua, Makefile
・HPUX, Linux, VxWorks
・RTWorks, SmartSockets
・PLC Fetch / Write
■ 概要
米国に拠点をおく医療機器メーカーがクライアントの開発案件です。
高性能かつ費用対効果の高い人工呼吸器にフォーカスして、臨床医が世界最高峰の呼吸ケアと治療を提供できるよう製品を提供しています。
■ チャレンジ
・キャリブレーションセンサー、バルブ、空気圧制御、GUI応答などの項目で、システムのリアルタイム制限を満たす
・FDAのテストに合格するための課題解決・テスト
・システムのアーキテクチャのリファクタリング
■ ソリューション
オフショア側(Hitachi Vantara)では、製品の設計、テストおよび機能強化のために、エンジニアとテスターを提供。ラボ型開発でプロジェクトに対応しました。
・アプリケーション、ファームウェア、デバイスドライバーの開発
・システム統合テストとUATサポートの実施
■ 提供価値
・アルゴリズム処理の最適化をしました。
・メモリフットプリントとパフォーマンスの最適化をしました。
・スピーディに開発することで、製品のリリースサークルを短縮できました。
■ 使用技術
・C / C+, Oberon
・TCP / IP, ソケットプログラミング, I2C, SPI, GPIO
・PID(Proportional Integral Derivative)制御
・デバイスのキャリブレーションと制御
Hitachi Vantara Vietnamは日立グループのベトナムオフショア開発企業です。高い技術力と長年の実績から、ベトナムオフショア開発を牽引しています。大規模プロジェクトやブロックチェーン・IoT・AIといった先端技術をつかった案件まで、高品質の開発体制で対応します。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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