公開日:2017/10/24 最終更新日:2023/09/22

ベトナム人ITエンジニア(IT技術者)の特徴

ベトナムのIT業界は著しい成長を遂げ今後も益々拡大していくことが予想されており、日本国内におけるオフショア開発への注目も集まっています。

 

本記事では、注目が集まるベトナムでのオフショア開発において要となる”ベトナムITエンジニア(技術者)”の特徴についてお話しをさせていただきます。オフショア開発を検討されている方の中には現地のエンジニアはどういう人が多いのか、気になる方も多いのではないでしょうか?

 

ぜひ最後までご一読くださいませ!

1. ベトナム人ITエンジニア(IT人材)の特徴

ベトナム人ITエンジニアには大きく3つの特徴があります。

 

1-1. ベトナム人ITエンジニア(IT人材)の特徴:理系人材が優秀

 

ベトナム人ITエンジニアの特徴1つめは「理系人材が優秀」です。その背景としては、ベトナムが国策でITエンジニアを育成していることが挙げられます。日本では特定の分野に特化するより幅広い分野の育成を行う風潮がありますが、ベトナムでは国をあげてITエンジニアの育成を推進しているため、ITエンジニアが育ちやすい環境にあります。

 

ITエンジニアが育ちやすい環境というのは、優秀な理系人材を育てる環境に繋がります。その一例としてベトナムの大学では大学1学年あたりの情報系学生の割合が日本の約7倍以上いるといわれています。(*1, *2)

こういった背景もあり、世界各国の優秀な学生が出場する国際数学オリンピックの実績ではベトナム人が高順位を獲得、国際情報オリンピックにおいては総メダルを多く獲得しています。(*3, *4)

 

国をあげてITエンジニアを育成している環境があるからこそ、ベトナム人ITエンジニアには優秀な人材が揃っているといえます。

 

*1 出典:大学における工学系教育の在り方について(中間まとめ)

*2 出典:Nghe-CNTT-Official-Small.

*3 出典:数学オリンピック国際大会

*4 出典:国際情報オリンピック

 

1-2. ベトナム人ITエンジニア(IT人材)の特徴:開発スピードが速い

 

ベトナム人ITエンジニアの特徴2つめは「開発スピードが速い」ことです。

ITエンジニアが育ちやすい環境で多くの知識を吸収していることや英語を話せる人が多くいることが関係し、ベトナム人ITエンジニアは比較的素早い開発を行うことができます。実際、弊社のベトナム法人において新しい技術を使ったプロトタイプをベトナムITエンジニアに作って貰った際、圧倒的なスピードで作成が終わったという経験があります。どれくらい早かったかというと、当初1週間程かかるイメージで渡した仕事だったのを、小一時間で終わらせてしまうほどでした。

英語で記入された技術書もすらすら読めてしまう英語力を保有しているのもこの対応ができる1つの理由なのかもしれません。

 

1-3. ベトナム人ITエンジニア(IT人材)の特徴:日本語を習得している人が多い

 

ベトナム人ITエンジニアの特徴3つめとして「日本語を習得している人が多い」ことがあげられます。ベトナムでは第一外国語として日本語を勉強している人が多いため日本語を話せる人が多い印象です。

 

この背景には、前項でも出てきますが国をあげてIT人材を育てていることが関係しています。2015年~2018年比にはなりますが、日本語教育を行うための日本語学校数、日本語教師数、日本語学習者数の増加率が他の国と比較し圧倒的に高くなっています。(*5)

 

ベトナムのオフショア開発を検討している方の中には、ベトナム人とコミュニケーションをとることに不安を覚えている方もいると思いますが、ベトナム人ITエンジニアの多くは日本語を習得しています。文化の違いから少し丁寧なコミュニケーションを行う必要はもちろんありますが、その点さえ抑えればオフショア開発における不安も解消することができます。

 

*5 出典:国際交流基金「海外日本語教育機関調査

2. ベトナム人ITエンジニア(IT人材)に係るコスト

オフショア開発におけるコストは現在事実として上昇傾向にあります。

オフショア開発のコストはベトナム人ITエンジニアの給与がベースとなり算出されているので、現状ベトナム人ITエンジニアのコストも上昇しているということになります。尚、現在の平均人月単価は約30万円ほどです。

 

これに伴い、国内での開発を依頼したほうがコストをかけずに済む案件というのも出てくるようになっています。ベトナムの2つの都市に拠点を構える弊社の感覚では、費用感が高くなることが予想される規模の大きい開発ほど国内での開発を行うよりもオフショア開発を選ぶ方がコストメリットが出ていると感じています。しかし、短期間で終わるような規模が小さい開発においては、オフショア開発での依頼を行うよりも国内に開発を依頼したほうが安く済む可能性が高い印象です。無駄なコストをかけることなく低コストで開発を行うことを検討している人はその点把握しておくことが重要になってきます。

 

今後もベトナム人ITエンジニアの平均給与及び単価は上がっていくと言われており、国内とオフショアどちらの方がコストメリットを発揮するのか?自己判断が難しくなることが予想されています。コストを抑えて開発を行いたいと考えている方は、オフショア開発会社へ問い合わせをし聞いてみるのをおすすめします。

 

弊社は、日系オフショア企業のパイオニアとして、ベトナムのホーチミンとハノイにそれぞれ拠点を構えています。ベトナム現地にて12年以上に及ぶ知見を保有していますのでお気軽にご相談ください。

3. ベトナム人ITエンジニア(IT人材)の強み

ベトナム人ITエンジニアの強みとしてあげられるのは大きく2つあります。

 

3‐1. 学習欲、知識欲が強く新しい技術の学習が速い

 

ベトナム人ITエンジニアの強み1つめは「学習欲、知識欲が強く新しい技術の学習速度が速いこと」です。ベトナム人ITエンジニアは、貪欲に新しい知識を吸収したがる人が多くおり、中には夜中の12時~1時まで勉強をしている人や、会社に勤めながら学校へ勉強するために通っている人も多くいます(弊社のベトナム人ITエンジニアの例)。

 

日本でも見かけることはありますが、ベトナムの方が日本よりも学習欲、知識欲が高い人が多い傾向がみられます。

なぜそこまで学習欲や知識欲が強いのか?理由としては、自分の能力をあげることが収入に繋がるというモチベーションが関わっていることがあげられます。それ以外では単純に学習することに楽しさを見出し、自ら学習意欲を進んで行っていることも理由の1つです。

 

また、ITエンジニアには欠かせない技術資料はベトナム語で記載されているものが非常に少ない一方、英語で記載されたものが多数あります。この状況をベトナム人ITエンジニアは理解しているので、英語を習得している人が多くいます。こういった勉強せざるを得ない環境というのも、強みを引き出す理由の1つなのかもしれません。

 

3‐2. 開発の基礎が備わっている

 

ベトナム人ITエンジニアの強み2つめは「開発の基礎が備わっていること」です。

この背景としては、大学で専攻するなどIT人材教育を積極的にうけてきたことがあげられますが、そこに内面的な学習欲や知識欲も加わり開発の土台である基礎部分がしっかりと作られています。

4. ベトナム人ITエンジニア(IT人材)の課題

ここまで、ベトナム人ITエンジニアの特徴や強みについて解説してきました。

ベトナム人ITエンジニアの良い部分が分かったのではないでしょうか?

ここからは、良い部分もあるけど一方で課題もあるというのをお伝えさせていただきます。

 

4-1. 課題①曖昧な言葉は通じない

 

まず1つめとして挙げられるのは「曖昧な言葉が通じない」ことです。日本人は、空気を読む文化が浸透しておりたとえ言葉が省略されたものであっても、意味を把握する傾向が多くあります。しかし、ベトナムでは言葉で伝える文化が浸透しているので、はっきり言ってくれないと分からない傾向が強いです。

 

ソフトウェア開発においてはコミュニケーションが1番重要になってきますので、曖昧な言葉を使わないようコミュニケーションをとることが大切です。

 

4-2. 課題②私生活を重要視する傾向がある

 

日本人の中でも私生活を重要視する方がいますが、それ以上にベトナム人の中には私生活を重要視する人が多い印象です。それゆえ、急遽残業が発生した場面において、私生活を重要視するあまり残業することを良しと思わない場面が出てくることがあります。日本人は残業を当たり前のように行っている人が多い分、ギャップに感じやすいため課題として挙げられます。

 

しかし、事前に残業の必要性について話しておくことや残業の時間を確保してもらえるよう頼んでおくことでこれらは解決することができます。日本人が日本で当たり前だと思っている働き方は、外国人にとっては当たり前じゃないことが多いので丁寧なコミュニケーションを意識する必要があることを頭にいれておくと良いでしょう。

5. ベトナムの将来性

 

では、最後にベトナムの将来性についてご紹介します。

 

結論、ベトナムの将来性は明るいと言われています。

その理由を2つ紹介していきます。

 

まず1つ目の理由としては、2020年新型コロナウイルスの拡大により経済に大きなダメージをうけた企業がある中でベトナムは、世界最高水準の経済成長率を記録したことがあげられます。(世界銀行が2020年6月8日に発表した「世界経済見通し2020年6月版」を見てみると、2020年時点のベトナム経済成長率はプラス2.8%の世界最高水準を記録したと言われている)人類を脅かす新型コロナウイルスの世界的流行を受けてもなお、経済が成長しているベトナムは将来性が明るいということができます。

 

2つ目は、幼い頃からIT教育を受ける子供たちが大勢いることによるIT人材の充実があげられます。国をあげてIT人材を育てているベトナムにおいては、中学生の頃からコーディングやIT科目に関する教育をうけています。積極的な国の教育政策によってIT教育をうける子供たちが多くいることから、これからのベトナムにおける将来性が高いことがうかがえます。

 

給与水準が上がっているベトナムですが、今後も益々経済の発展が予想されており、IT教育への力もいれていくことが見受けられます。この背景を受け、ベトナムへの海外進出を行う企業も増えてきています。ベトナムの成長に併せ、国内だけにとどまらず、海外でのビジネスを始める日本企業も増えてくるのではないでしょうか。

この記事を書いた人


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