公開日:2022/05/11 最終更新日:2023/08/17

SPA(シングルページアプリケーション)とは?開発事例やメリットデメリット

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近年、多くのWebサービスが生まれています。ユーザーから選んでもらうためにはより使いやすいアプリやサービスが求められるため、UI/UXの重要性が高まっており、SPA(シングルページアプリケーション)に注目が集まっています。

 

このテキストではSPA(シングルページアプリケーション)とは何か、どのようなアプリ・サービスに採用されているのか、メリットやデメリット、開発するためのフレームワーク、どういったWebアプリがSPAを検討すべきかなど、今知っておきたいSPAの基礎知識を詳しく解説していきます。

INDEX

1. SPAとは?

2. SPAが採用されているアプリ・サービスの事例

3. SPAのメリット・デメリット

4. SPAを開発するためのフレームワーク

5. SPAを検討するべきWebアプリは?

SPAとは?

SPAとは?

 

一つのページでコンテンツの切り替えを行うWeb アプリケーションの構造を「Single Page Application(シングルページアプリケーション)」と言い、それを略して「SPA」と言います。「アプリのように動くWebサイト」とも言われ、ページ遷移を行わないのでユーザーにとってストレスが少ないため、優れたUXを提供できます。FacebookメッセンジャーやGoogle Mapなどがこの方式を採用しています。

 

これまでページ遷移なしに一つのページでアニメーションなどを動かすことのできる方式として代表的なものはFlashでしたが、2010年にスティーブ・ジョブズが発表した「Thoughts on Flash」はFlashを全面否定する内容であり、iPhoneやiPadはFlashを搭載せず、Flashは衰退。HTML5が推進される流れの中で、Flashと同じようなUI/UXを実現できる技術として生まれたのがSPAです。

 

SPAの仕組み

 

通常のWebサイトの画面遷移は、リクエストの度にサーバー側からブラウザに対してHTMLが渡され、その繰り返しによって画面遷移が行われる、という仕組みです。

 

SPAは、初回だけは通常のWebサイトと同様、サーバーからHTMLを受け取りますが、2回目以降の画面遷移はサーバーを通しません。操作に対応したデータだけを受け取って画面遷移が行われる仕組みです。

 

通常のWebサイトが操作の度にページ全体を読み込むのに対し、必要な部分だけを更新するSPAはサイトの操作性を向上させることができ、ネイティブアプリに近いデザインや操作感を実現することが可能となるのです。

 

SPAのトレンド

 

スマホの普及、ITスタートアップの乱立により、日々新しいアプリケーションやWebサービスが登場し、競争も激化している今、ユーザーに商品を選んでもらうためには優れたUI/UXが必要不可欠です。そのため、さらにフロントエンド開発が重要視される時代となりました。そんな今だからこそ、優れたUI/UXを提供できるSPAに注目が集まっているのです。

 

市場の変化は年々スピード感を増しており、ユーザーの要望にあわせたUI/UXの速やかな変更が求められることもしばしば。今の市場の速度にあわせたフロントエンド開発が求められています。

 

そこで、SPAを作成できるフレームワークに人気が集まっています。中でもFacebookが開発したJavascriptライブラリ「React」はフレームワークのようにも使え、SPAを作成するのに向いているとして多くの企業に使われています。InstagramやNetflixといった急成長を遂げた人気サービスも「React」でサービスを構築しています。

 

他にもGoogle中心のコミュニティーによって開発された「Angular」やオープンソースの「Vue.js」など、さまざまなフレームワークがあり、これらを利用することで優れたUI/UXを、スピード感を持って開発することができるようになりました。

SPAが採用されているアプリ・サービスの事例

SPAの概要がわかったところで、SPAが採用されているアプリやサービスの具体例を見ていきましょう。先ほど例に挙げた「Facebookメッセンジャー」や「Googleマップ」をはじめ、SPAを採用したサービスは数多くあります。

 

例えば、SPAを採用したGoogleのサービスと言えばGoogleMapが例に挙げられることが多いですが、メール作成と閲覧が同一ページ内でできるGmailもSPAを採用しているサービスです。

非同期的に読み込みを行い、単一ページの中で複数の動作が可能になります。

 

その他にも「Gmail」「Slack」「Twitter」「GitHub」「LINE」「Gunosy」「Retty」「note」といった有名サービスがSPAを採用しているのだとか。

SPAのメリット・デメリット

当然のことですが、SPAにはメリットもあればデメリットもあります。SPAのいいところと悪いところをしっかり理解しておきましょう。

 

SPAのメリット

 

SPAのメリットは主に3つあります。「優れたUI/UXを実現可能」「ネイティブアプリの代わりとして利用可能」「ページ遷移が早く高度な操作性の実現が可能」という点です。それぞれを詳しく見ておきましょう。

 

・優れたUI/UXを実現可能

 

SPAの最も大きなメリットは優れたUI/UXを実現できることでしょう。今やUI/UXがアプリやサービスの成功可否を決めるとも言われており、市場にあわせてスピード感のある改善も求められる時代です。SPAなら優れたUI/UXを実現できると共に、フレームワークを利用することでスピード感のある開発を行うことが可能です。

 

・ネイティブアプリの代わりとして利用可能

 

ホーム画面からの起動、オフラインでのページ閲覧やプッシュ通知などのネイティブアプリ特有の機能をSPAによって実装することができます。ネイティブアプリはストアの審査など手間がかかるため、SPAによってネイティブアプリの代用としてのWebアプリを開発する企業も増えています、

 

・ページ遷移が早く高度な操作性の実現が可能

 

SPAを利用することで従来のWebページに比べて格段に読み込みスピードやページ遷移を速くすることができます。インターネットの高速化が進んだ影響もあり、読み込みの遅延からコンバージョン低下が起こる傾向がこれまでに比べても顕著になりました。SPAによってそのような事態を避けることができます。

 

SPAのデメリット

 

SPAのデメリットは大きく分けて3つあります。「開発コストがかさむ」こと、「開発できるエンジニアが少ない」こと、「SEOで不利になる」ことです。こちらもそれぞれ確認しておきましょう。

 

・開発コストがかさむ

 

SPAを開発する際には、例えば「進む」「戻る」「リロード」といった通常のWebサイトであればブラウザが行っているような機能を改めて実装しなければなりません。当然、開発する機能が多ければ開発コストも増えることとなります。

 

・開発できるエンジニアが少ない

 

SPAは新しい技術であるため、まだまだ開発できるエンジニアの数は多いとは言えません。国内のIT人材はただでさえ人不足ですから、その中でSPAを熟知した優秀な人材を雇うとなるとなかなか難しいものがあります。

 

・SEOで不利になる

 

検索エンジンのクローラーに対してはJavascriptは実行されないため、SPAを用いたWebサイトはSEOの面で不利になることが指摘されています。SEOを重視する場合はSPAの採用には慎重になった方がいいでしょう。

SPAを開発するためのフレームワーク

SPAには効率的に開発するためのフレームワークが多く用意されています。これらを利用することで開発スピードも格段にアップし、コストカットにもつながるため、SPAを開発するなら活用しない手はありません。

 

JavaScriptフレームワーク

 

フレームワークについては先に少し触れましたが、JavaScriptフレームワークとして有名なのは「React」「Angular」「Vue.js」の3つであり、これらは3大JavaScriptフレームワークと呼ばれています。

 

・React

 

「React」はFacebookによって開発されているライブラリであり、本来はフレームワークではありませんが、フレームワークのように利用できるため、3大フレームワークに数えられています。UIの機能追加や管理に特化しており、ユーザーにとって快適なSPAを作ることができます。

 

・Angular

 

Google中心のコミュニティーによって開発されたJavaScriptフレームワーク「Angular」は、開発スピードの速さが特徴的なフレームワークです。法人向けの大規模開発に適していると言われています。

 

・Vue.js

 

「Vue.js」は非常にシンプルに設計されたフレームワークであり、拡張性の高さが大きな魅力です。中規模以上の開発を想定しているフレームワークも多い中で、「Vue.js」は大小さまざまな規模に対応でき、既存プロジェクトの一部に適用することも可能です。

使いやすさと学習コストの低さでは群を抜いており、SPA開発に最もおすすめできるフレームワークです。

SPAを検討するべきWebアプリは?

ここまでSPAのメリットやデメリット、開発するためのフレームワークについて解説してきました。どのようなコンテンツをSPAで開発するのが望ましいのでしょうか。SPAのメリットとデメリットを踏まえて解説します。

 

SPAに適したコンテンツとは?

 

・長時間利用されるコンテンツ

 

SPAはページ遷移が速く、高度な操作性と優れたUI/UXを実現可能という特性を持っています。そのため、長い時間利用され、頻繁に情報を更新するようなチャットアプリとは非常に親和性が高いと言えます。先に少し触れましたが、SPAを活用したチャットアプリとしてはSlackが有名です。

 

・離脱を回避したいコンテンツ

 

SPAのページ遷移の速さは、離脱率を下げるのに最適であるため、アンケートなどにも向いています。

 

・操作頻度が高くページ遷移が多いコンテンツ

 

例えば座席を指定して予約するような映画館のチケット予約サイトなども、作品や上映館、時間やチケット種別、座席など多くの要素を選択する操作がなされるため、SPAの高速なページ遷移と親和性が高いと言えます。

 

向いていないコンテンツ

 

デメリットでも解説した通り、SEOには弱いのがSPAですから、SEO重視のサイトなどには向いていません。また、ページ遷移の少ないコンテンツもSPAの本領を発揮できるとは言い難いため、向いていないと言えます。

まとめ

優れたUI/UXを提供できるとして人気の高いSPAは現在のWeb開発のトレンドではありますが、コーディング量がどうしても大きくなりがちで、対応できるエンジニアの数もまだまだ少ないため、開発費用が高額になってしまう傾向にあります。

 

国内では対応が難しいなら、海外に目を向けてみるのも一つの選択肢です。オフショア開発なら、海外で多くの知見や経験を持つ優秀なエンジニアを安価に雇うことができます。

 

オフショア開発を選択肢の一つとして、SPA開発を進めてみてはいかがでしょうか。

 

オフショア開発についてのご相談は無料の専門コンシェルジュが承ります。ぜひお気軽にご要望やお悩みをお聞かせください。

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オフショア開発.com 編集部

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