最終更新日:2025/02/21
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プロジェクトの成功には、計画と管理が欠かせません。その中でも、WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクトを効率的に進めるための鍵となる手法です。この記事では、WBSの基本から、具体的な作成方法、おすすめのツールまでを詳しく紹介します。
WBSとは?
WBS(Work Breakdown Structure)は、「作業分解構成図」や「作業分解図」とも訳される言葉で、プロジェクトを小さなタスクに分解して管理しやすくする手法のことです。プロジェクト管理において非常に重要な手法です。
WBSの概要
プロジェクト全体を視覚的に分解して各タスクの関係性を明確にすることができるのがWBSです。WBSを用いることで、プロジェクト全体の構造を視覚化し、タスクの優先順位を明確にすることができるため、効率的な進捗管理に役立ちます。
各タスクの相互関係や効率を見えやすくする効果があり、プロジェクトの進捗状況を把握しやすくなります。
ガントチャートやタスク管理との違い
WBS、ガントチャート、一般的なタスク管理ツール。これらはプロジェクト管理で頻繁に使用されますが、それぞれに異なる目的と特徴があります。
- WBS:プロジェクト全体の構造を視覚化し、タスクの関係性を明確にします。計画段階での全体像の把握や、リソース配分の最適化に適しています。
- ガントチャート:タスクの開始日や終了日を視覚的に示すもので、各タスクの期間や順序、依存関係を一目で把握できます。スケジュール管理を容易にする非常に便利な手法です。
- タスク管理ツール:プロジェクトで「誰が・どのように進めるのか」をサポートします。個々のタスクの進捗状況を管理し、担当者の割り当てや期限の設定、優先順位付けなどを行います。日々の業務効率化やチーム間のコミュニケーション向上に効果的です。
WBSを使用するメリット
WBSを使用するメリットは、以下の3つです。
- プロジェクト全体を明確化できる
- 進捗管理が容易になる
- タスク同士の関連性が可視化される
プロジェクト全体を明確化できる
WBSを活用してプロジェクト全体を可視化すれば、プロジェクトの各タスクを階層的に整理し、全体の流れを明確にすることができます。全体の流れがわかれば、進捗状況や課題を把握しやすくなります。
ソフトウェア開発プロジェクトにおいてWBSを作成すると、要件定義、設計、実装、テスト、リリースといった主要なフェーズが明確になります。それぞれのフェーズには具体的なタスク(ユーザーインタビューの実施、UIデザインの作成、コードレビューの実施など)が紐づけられるため、プロジェクトの全体像が一目で把握できます。
WBSによって各タスクの依存関係や優先順位が可視化されれば、リソースの適切な割り当てやスケジュールの調整が容易になります。チームメンバーは、自分の担当範囲だけでなく、プロジェクト全体の流れを理解しやすくなり、タスクの抜け漏れを防ぐことができます。
プロジェクト全体を明確化する手法はオフショア開発などでも多く活用されています。
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進捗管理が容易になる
WBSの活用によって、プロジェクトの進捗管理が容易になります。プロジェクト全体を階層的に細分化し、各タスクの詳細を明確にしたら、ガントチャートなどの進捗管理表を作成し、各タスクの開始日、終了日、担当者、進捗率などを記録します。
これにより、計画と実績の差異を視覚的に確認でき、進捗の遅れや問題点を早期に発見できます。あるタスクが予定より遅れていても、その情報を迅速に共有することができれば、適切な対策を講じることができます。
タスク同士の関連性が可視化される
WBSを活用することで、タスク同士の関連性が可視化されます。各タスクの依存関係や相互作用を明確にできれば、プロジェクト全体の流れを理解しやすくなります。
ソフトウェア開発プロジェクトでは、設計フェーズの完了が実装フェーズの開始に直接影響を及ぼします。WBSを用いることで、こうした依存関係を明確にし、タスクの順序や優先度を適切に設定することができます。
また、タスクの関連性が明確になることで、リソースの適切な配分が容易になるというのも大きなメリットの一つです。
WBSのテンプレート付きおすすめツール
ここではWBSのテンプレート付きのおすすめツールを紹介します。
- Stock
- Backlog
- Microsoft Project
Stock
引用:https://www.stock-app.info/
Stockは、チームで情報を共有しながらプロジェクトを管理できるツールです。特に、シンプルな操作性と直感的なインターフェースが特徴で、ITに詳しくないユーザーでも簡単に利用できます。
WBSのテンプレートが充実していてタスクを視覚的に整理しやすく、プロジェクトの進捗状況を迅速に把握できます。また、チーム内の情報共有機能も備えており、タスクの変更や更新をリアルタイムで共有できるため、スムーズな業務連携が可能です。
無料プランも提供されているため、まずは試してみたいというニーズにも対応できます。
Backlog
Backlogは、開発、マーケティング、人事・総務などさまざまな職種で使われているプロジェクト・タスク管理ツールです。GitやSVNとの連携機能も充実しています。
WBS機能を活用することで、プロジェクトのタスクを細分化し、視覚的に整理できます。また、ガントチャートやバーンダウンチャートといった進捗管理の機能も備わっているため、長期的なプロジェクトにも適したツールです。
無料プランはありませんが、無料トライアルはあるので、まずは無料で試してみることが可能です。
Microsoft Project
引用:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/project/project-management-software
Microsoft Projectは、Microsoftが提供する高度なプロジェクト管理ツールで、小規模はもちろん、大規模なプロジェクトの管理にも適しています。
各タスクの関係性を詳細に設定できるため、プロジェクト全体の進捗を可視化しやすくなります。また、ガントチャートを活用することで、プロジェクトのスケジュールを一目で把握できるのも特徴です。
企業向けの有料ツールですが、ExcelやTeamsとの連携もスムーズで、Microsoft製品を活用している企業や個人にとって使いやすいのは嬉しいポイントの一つです。
WBSの作り方
WBSを作る際は、以下の手順で進めます。
- 目標を明確にする
- タスクを洗い出して分解する
- 優先順位をつけて担当者に割り振る
1.目標を明確にする
WBS作成の第一歩は、プロジェクトの最終目標を明確に定義することです。具体的で達成可能な目標を設定することで、プロジェクト全体の方向性が定まり、チーム全員が共通のゴールを持つことができます。目標設定には、SMART基準を活用すると効果的です。
SMARTとは、Specific(具体的)・Measurable(測定可能)・Achievable(達成可能)・Relevant(関連性)・Time-bound(期限)の頭文字を取ったもので、これらの要素を考慮することで、明確で実現可能な目標を設定できます。
2.タスクを洗い出して分解する
目標が決まったら、それを達成するために必要なタスクを洗い出します。
ブレインストーミングやマインドマップを活用し、タスクの抜け漏れがないように整理します。適切な粒度でタスクを分解することが、WBSの精度を高めるポイントです。粒度に関しては後述する「8/80ルール」を参考にしてみてください。
3.優先順位をつけて担当者に割り振る
洗い出したタスクに、重要度や緊急性に基づいて優先順位をつけ、適切な担当者に割り振ります。各メンバーのスキルや負荷状況を考慮し、最適なリソース配分を行うことで、効率的にプロジェクトを進めることができます。
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WBSを作成する時のポイント
WBSを作る時のポイントも解説します。
- 8/80ルールを用いる
- 無理に細部化しすぎない
8/80ルールを用いる
WBS作成の際、タスクの粒度を適切に保つことが重要です。そこで役立つのが「8/80ルール」です。「8/80ルール」とは、各タスクの所要時間が8時間(1日)以上、80時間(約2週間)以内であることを推奨する考え方です。
タスクの大きさを8時間以上80時間以内に収めることで、管理しやすく、進捗の把握がしやすい適切なWBSを作成できます。
無理に細部化しすぎない
WBSを作成する際、細部にこだわりすぎて全体像を見失うことがあります。「8/80ルール」などを活用することで適度な粒度を保ちつつ、プロジェクトの本質を捉えることが重要です。
過度にタスクを細分化すると、管理の手間が増え、進捗確認の負担が大きくなります。タスクが細かくなりすぎると、プロジェクト全体のつながりが分かりにくくなり、作業の優先順位を判断しづらくなります。さらに、タスクが細分化しすぎることで、各担当者の作業範囲が不明瞭になり、連携が取りにくくなることがあります。
まとめ
WBSは、プロジェクトの管理を大きく改善する手法です。適切にタスクを分解し、それぞれの担当者や優先順位を明確にすることで、作業の効率が向上し、進捗の遅れやリスクを最小限に抑えることができます。
プロジェクトの成功には、プロジェクト管理の効率化はもちろん、質の高いリソースや人材の確保が欠かせません。特に国内で必要なスキルを持つ人材を見つけるのが難しい場合、オフショア開発が有力な選択肢となります。優れたオフショア開発企業と協力することで、リソースの不足を補い、プロジェクトの質と効率をさらに高めることが可能です。
「オフショア開発.com」では、厳正な審査を通過した信頼できる開発パートナーをご紹介しています。タスク管理の最適化と合わせて、プロジェクト成功のためのサポートを提供しております。ぜひお気軽にご相談ください。