テスト実施の流れ -準備と実施手順-

公開日:2024/07/25 最終更新日:2024/07/25

開発においてテストの実施・実行はアプリケーションやソフトウェアが仕様通りに動作するかを確認する重要なフェーズです。

本テキストではテスト実施の目的やテストの種類、実施の準備から実施後の評価と報告までを詳しく解説していきます。

テスト実施とは?

前述した通り、開発において『テスト実施』は開発したアプリケーションやソフトウェアが仕様通りに動作するかを確認するフェーズであり、この工程はとても重要です。

テスト実施のフェーズではテストケースに基づいて実際にソフトウェアを操作し、実際の結果が想定通りかどうかを評価・検証します。この段階で不具合や問題が発見された場合には、必要に応じて追加のテストや修正を行います。

テスト実施の目的

テスト実施の主な目的は『ソフトウェアの品質向上』『リスクの低減』『顧客満足度の向上』の3つです。

  1. ソフトウェアの品質向上

テストを実施することで不具合や問題を発見・修正すれば、アプリケーションやソフトウェアの品質をより向上させることができます。ユーザーにとっても安心して利用できる製品となります。

  1. リスクの低減

テストを実施し、リリース前に潜在的な問題を発見することができれば、リリース後のトラブルや損失といったリスクを未然に防ぐことができます。

  1. 顧客満足度の向上

テスト実施により、品質の高いアプリケーションやソフトウェアを提供することができるため、顧客満足度の向上につながります。

テストの種類

開発において実施されるテストにはさまざまな種類のものがあります。それぞれ異なる観点からソフトウェアを検証するテストであり、代表的なテストの種類は以下の6つです。

  • 運用テスト
  • 機能テスト
  • 性能テスト
  • ユーザビリティテスト
  • セキュリティテスト
  • レグレッションテスト

それぞれについて簡潔に解説していきます。

運用テスト

運用テストとは、想定される実際の運用環境で、アプリケーションやソフトウェアが正しく動作するかを確認するテストです。

実際の環境に近い形、または実際の環境でテストを実施するため、ユーザーの視点に立ってアプリケーションやソフトウェアを動かします。必要に応じて運用マニュアルなどと整合性を確認することもあります。

また、誤った動作や処理を行った際の挙動や、想定通りの時間で処理が実施されるかなどについてもチェックを行います。

機能テスト

アプリケーションやソフトウェアにおける個々の機能が仕様通りに動作することを確認するのが機能テストです。事前に定義した要件との間にギャップがないか、エラーはないかなどをチェックします。機能テストは手動で行うこともありますが、近年では自動化ツールを活用するケースも増えています。

機能テストには単体テストやシステムテストなどさまざまな種類があります。

性能テスト

性能テストでは、事前に定義されたシステムの性能を満たしているかどうかを確認します。機能テストが仕様に基づいた正しい動作をチェックするのに対し、性能テストはユーザーが快適にアプリケーションやソフトウェアを利用できるかどうかをチェックします。そのため、ソフトウェアの処理速度、応答時間、スループットなどを検証します。

ユーザビリティテスト

ユーザビリティテストとは、アプリケーションやソフトウェアが、ユーザーにとって使いやすいインターフェースやデザインになっているかどうかを確認するテストです。一般的に、実際のユーザー層に近い参加者や、実際のユーザーに試してもらうことが多いテストであり、ユーザーテストとも呼ばれます。

セキュリティテスト

セキュリティテストは、アプリケーションやソフトウェアに脆弱性がないことを確認し、不正アクセスや情報漏洩などのリスクを低減するためのテストです。どのようなシステムにおいても必要かつ重要なテストではありますが、個人情報を扱うシステムにおいては特に重要なテストと言えるでしょう。

レグレッションテスト

レグレッション(リグレッション)とは『回帰』を意味する言葉で、レグレッションテスト(リグレッションテスト)は回帰テスト、退行テストとも呼ばれます。

このテストでは過去の修正や機能追加によって既存の機能に影響が出ていないかを確認します。

下記の記事でレグレッションテストについてさらに詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/general/regression-test/

テスト実施の準備

テスト実施を円滑に進めるためには、事前にさまざまな準備が必要となります。テスト計画書やテストケースを作成し、実施前に『優先順位の確認』と『ドキュメントの確認』を行います。

優先順位の確認

テストケースの優先順位を明確にし、重要なテストから順に実施する準備を行いましょう。優先順位の高いテストにおいて不具合やエラーが出た場合は、優先順位の低いテストを行うよりも不具合の修正を優先することもありますから、優先順位は前もって明確にしておくべきです。

ドキュメントの確認

要件定義書や設計書を確認し、アプリケーションやソフトウェアの仕様や変更箇所などをチェックしておきます。テスト手順だけを確認するのではなく、アプリケーションやソフトウェアの全体像を把握しておくことで思わぬ見落としを防ぐことができます。

テスト実施後の評価と報告

前述したさまざまなテストを実施した後には以下の内容を評価し、報告書を作成します。

インシデントについて報告

テストを実施し、アプリケーションやソフトウェアが正常に動作している場合は合格となりますが、想定された動作ではなかった場合、思わぬ不具合が発生した場合は不合格となります。

不具合やエラー、バグは報告書にまとめ、インシデント報告を行います。具体的には、不具合が起きた際の操作や、不具合に再現性があるかどうか、不具合によって他の機能やテストに影響があるかなどをまとめます。

テスト計画には不具合が起きた時のフローについても定められていますから、そちらに従って対応します。

リグレッションテスト

修正や機能追加を行った後には、既存の機能に影響が出ていないことを確認するために、レグレッションテストを実施する必要があります。

不具合の修正が行われた後には必ずリグレッションテストを行い、不具合が出た機能以外にも影響が出ていないかを確認します。

テスト結果の分析

テスト結果は合格・不合格の判定を行うだけでなく、さまざまな指標から分析することで、ソフトウェアの品質に関する貴重な情報を得ることができます。分析結果は、今後の開発やテスト実施の改善に役立てることができます。

まとめ

テスト実施は、品質を保証するために必要不可欠なプロセスです。計画的な準備と結果の分析によって、より高品質なアプリケーションやソフトウェアを開発することができます。

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