公開日:2022/07/06 最終更新日:2023/09/07

予約システム開発|開発方法の比較と費用を抑えるためには

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近年、さまざまな業務がシステム化され、ユーザーにとっても企業にとっても利便性を高め、業務の効率化が実現されています。

中でも予約システムは、もっとも私たちの生活に身近なものの一つではないでしょうか。近年、病院や銀行、美容院、マッサージ店などさまざまなサービスが予約業務をシステム化しています。ビジネスにおいてはオンラインミーティングや会議室の予約システムもありますね。

 

本テキストでは、予約システムの基礎知識として導入するメリットや必要な機能、開発方法や費用について詳しく解説していきます。

INDEX

1. 予約システムとは

2. 予約システムを導入するメリット

3. 予約システムに必要な機能

4. 予約システムを開発・構築する方法は?

5. 予約システムの選び方&どの方法で開発するべきか?

6. 予約システムの開発にかかる費用

7. 予約システムの開発費用を抑えるには?

予約システムとは

予約システムとは、予約の受付や予約情報の管理など、予約に関する業務を一元管理できるシステムのことで、ネット予約と呼ばれることもあります。

かつては電話やメールなど、人力で対応する必要のあった業務がシステム化されたことで、スタッフが不在でも予約を入れることが可能となりました。ユーザーにとっては24時間365日、好きな時間に予約を入れたりキャンセルしたりもできるため、非常に便利な予約システムはその需要の高さから、多くの企業で導入されるようになりました。

予約システムを導入するメリット

ユーザーにとってはいつでも予約を入れられる便利なツールですが、企業が予約システムを導入することで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

 

|予約受付、管理に要している人件費を削減できる

 

かつて予約と言えば、店頭や電話などで直接スタッフと話して取るものでしたが、システム化されれば予約の受付や管理にかかわる業務を自動化でき、他の業務に人員を割くことができます。つまり、人件費の削減につながります。

 

|人的ミスを防ぐことができる

 

電話やメールだと、聞き間違えや誤字、勘違いによるダブルブッキングなど、予約ミスが起きることも。予約システムならそういった心配を減らすことができます。

システムの場合もユーザーが入力を間違える可能性はありますが、入力画面でアラートが出たり、確認メールが送られたりといった予約システムの機能がそういったミスを減らしてくれます。

 

|事前決済により当日会計が不要になる

 

予約システムでは、予約の際に事前決済を行う機能をつけることができます。当日の会計が不要になるだけでなく、無断キャンセルが減る効果もあります。

 

|24時間365日予約に対応できる

 

システムは24時間365日稼働していますから、深夜や休日でも予約対応が可能です。業種によっては営業時間外の予約が半数以上を占めるケースもあるため、いつでも予約できるというのはユーザーにとっても企業にとっても嬉しいメリットですね。

混み合っていて電話がつながらないから予約を諦めた、といった機会損失を減らすこともできます。

 

|顧客データを集積することでマーケティングに活かせる

 

顧客分析機能のある予約システムであれば、顧客の傾向を分析し、サービスの改善につなげることができます。

 

|Webを活用したオンライン集客施策ができる

 

外部サービスとの連携機能のある予約システムなら、WebサイトやSNSなどと連携して集客アップにつなげることも可能です。最近ではスマホのプッシュ通知を利用してリピートを促すといった施策を講じる企業も多いようです。

予約システムに必要な機能

普段、何気なく利用している予約システム。実際に導入する際に仕様を確認すると、多くの機能があることに驚かされます。

この項では、予約システムの基本的な機能をそれぞれ確認していきましょう。

 

|予約の受付・キャンセル

 

予約システムにもっとも必要な機能が予約機能です。ユーザーが空き枠を確認して予約する機能はもちろん、キャンセルや予約変更、キャンセル待ち機能などもあると便利ですね。

 

|予約 / 顧客の管理

 

顧客が入力した個人情報や予約内容、来店履歴などを確認することができる機能です。氏名や住所などを簡単に管理できるので、DMを送る際にも役立ちます。

 

|決済機能

 

予約時に決済できる機能があれば、当日の支払いにかかる手間や時間を減らすことができますし、すでに決済しているユーザーは連絡なしでキャンセルすることは少ないため、無断キャンセルを減らす効果も見込めます。

 

|他システムとの連携

 

予約する際にSNSの情報を利用してログインできる機能や、予約を入れるとGoogleカレンダーにスケジュールを入れてくれる機能など、最近では予約システムがさまざまなサービスと連携できるようになりました。

 

|セキュリティ

 

システムの機能ではありませんが、パッケージシステムやクラウドサービスなどを利用する際にはSSL対応、ISMS認証などセキュリティ面もチェックしておきたいところです。

予約システムを開発・構築する方法は?

最近はSaaSなどで手軽に導入できる予約システムが増えましたが、自社のサービス内容に合わせた予約システムにするため、パッケージを利用するとしても何らかのカスタマイズを加えることは必要でしょう。もちろん自社で開発すれば、自社のサービスにもっとも相応しいシステムを作ることができます。

 

ここでは「スクラッチで自社開発」「既存システムをカスタマイズ」「WordPressプラグインの利用」の3つの方法について解説します。

 

|スクラッチで開発する

 

一から自社で開発する「スクラッチ開発」であれば、制約なしに開発が可能なため、必要な機能を理想的なUIで作ることができます。

予約システムにはデータベースが必要なため、サイトの構築よりも手間とコストがかかるのがデメリットですが、自社に最適な予約システムを自由に作ることができるのは大きなメリットでしょう。

 

|既存システムをカスタマイズ

 

パッケージ製品やSaaS型の予約システムを自社向けにカスタマイズして利用することもできます。SaaSとはクラウドを利用したWebサービスのこと。

 

すでにあるシステムですので、提供されているサービス内に限ったカスタマイズとなってしまうのがデメリットですが、自社が必要とする機能が網羅されているサービスなら、自社で開発するよりコストを削減することができます。

 

SaaS予約システムには「ChoiceRESERVE」や「AirRESERVE」、「STORES予約」など数多くのサービスがあります。パッケージ型はSaaSに比べると多くはないようですが、サロンに特化した「BeSALO」などがあります。

 

|WordPressのプラグインを利用する

 

Webサイトの構築にオープンソースのCMSであるWordPressを利用している企業は少なくないでしょう。WordPressには数多くのプラグインがありますが、中には予約システムを構築できるプラグインも多数存在します。無料のものもありますから、WordPressの活用に慣れていれば、開発コストをかなりおさえることができます。

ただし、WordPressはプラグインに脆弱性が発生することでセキュリティリスクが高まる危険性もあるため、セキュリティ面に注意が必要です。

予約システムの選び方&どの方法で開発するべきか?

予約システムの開発にはさまざまな方法があることが理解できたところで、この項では予約システムをどのように選ぶべきか、どの方法で開発すべきか、について解説していきます。

 

|予約システムの選び方

 

まず予約システムを選ぶ際には、自社にどういった機能が必要なのかをしっかり洗い出す必要があります。その際に、「絶対に必要な機能」「できれば欲しい機能」を分類し、優先度もつけておきましょう。また、対応デバイスについても確認が必要です。

 

予約システムは企業にとって重要な窓口となりますから、業務の効率化や顧客満足度の向上といったベネフィットに繋がらないのであれば、構築すべきではありません。

 

前述したように、SaaSやパッケージのカスタマイズは提供されているサービス内に限られてしまうため、必要な機能が搭載できない可能性もあります。

SaaSやパッケージ、WordPressプラグインなどで自社にとって必要な機能が網羅できない場合はスクラッチ開発を検討すべきでしょう。

 

|スクラッチ開発を検討すべき機能とは

 

近年はさまざまなサービスやシステムとの連携が進み、特にクラウドを利用したSaaS予約システムは多くのサービスと連携しています。しかし、在庫情報との同期や自社システムとの連携となるとオプションとして提供されていないことがほとんどなので、スクラッチ開発を検討すべきでしょう。

 

また、予約にあたって、予約者に向けた緊急のSMS通知など、複数のオプションメニューが必要で、SaaSやパッケージシステムにはその機能がない場合にもスクラッチを検討するとよいでしょう。

 

|ワクチン接種の予約システム開発事例

 

コロナ禍においてワクチン接種の予約システムを開発した事例をご紹介します。

 

滋賀県日野町では、ワクチン接種の予約システムを東京の民間企業と開発。3ヶ月という短期間で町内での本格運用に至ったとして大きな話題となりました。

 

また、こちらはスクラッチとは少し異なりますが、青森市のIT企業であるフォルテは自治体向けのワクチン予約システムを開発。仕様設計をこまめに変更することを前提としており、自治体におけるワクチン接種の予約に特化したシステムとして開発しました。

予約システムの開発にかかる費用

予約システムを開発するには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。

 

|開発方法による費用の違い

 

先に述べた3つの開発方法をコストが高い順に並べると、下記の順となります。


予約システムの開発方法別費用比較表

 

スクラッチ開発は搭載する機能によって費用が大きく変わるため、数十万円から一千万円と開発費用にもかなり差があります。

SaaSの場合は月額利用料が数千円から一万円台であることが多く、高機能プランだとそれ以上となることもあります。オプションサービスは別料金であることが多いため、プランやオプションによって費用は変わります。

WordPressの場合は自社でプラグインのインストールや開発を行う場合は特に費用はかかりませんが、外注する場合は費用がかかります。プラグインのインストールだけを外注する業者はあまりいないようで、WordPress構築やサイト制作をあわせて請け負う業者が多いようです。外注費用は契約内容によりますが、月額の場合、数万円前後となることが多いようです。

 

|外注する際の開発費用の内訳

 

予約システムをスクラッチ開発で外注する際にかかる費用の内訳についても確認しておきましょう。かかる費用は主に「人件費」「サーバー費用」「運用保守費用」といったものになります。

 

|人件費

 

人件費とは開発においてもっともコストのかかる費用です。開発によっては8割を占めるケースも。日本国内の人材なら、1人につき月70万〜150万円程度が相場となっています。

オフショア開発で海外に外注する場合は、ベトナムの人材で1人月30万程度となっており、海外の人材に依頼することでかなり人件費を削減することができます。

 

|サーバー費用

 

システム開発に必要なサーバー費用や、必要なツールの費用がかかります。

 

|運用保守費用

 

システムは作って終わりではなく、運用保守を行う必要があります。不具合への対応や、新しいデバイスへの対応など、常にアップデートしてユーザーにとって使いやすい予約システムにしておく必要があります。

 

|その他の予約システムの場合にかかる費用

 

WordPressの場合も自社でサーバーを用意する必要があるため、サーバー費用がかかります。SaaSやパッケージの場合はシステム利用料などがかかります。

予約システムの開発費用を抑えるには?

前項でも人件費の項で少し触れましたが、予約システムの開発費用をおさえるにはどのような方法があるのでしょうか。開発費用をおさえる方法についても確認しておきましょう。

 

|パッケージ開発やWordPressのプラグイン利用を検討する

 

スクラッチ開発はどうしても費用がかさむため、パッケージやSaaS、WordPressのプラグインを検討することで費用をおさえるのも一つの手です。

ただし、前述したとおり、こういったサービスを利用することで顧客の利便性アップなどのベネフィットにつながらない予約システムとなってしまうのなら、構築すべきではありません。

 

|必要な機能を絞り込む

 

開発の際に、絶対に必要な機能や、できれば欲しい機能をリストアップし、優先順位をつけておくべきというのは先に述べたとおりですが、絶対に必要な機能のみに絞って開発を行えば、内容にもよりますがかなりコストをおさえることができます。

 

|オフショア開発を検討する

 

人件費の項でも触れたとおり、国内と海外では人件費の相場がかなり異なります。システム開発においては国内よりも海外の方が経験豊富な人材が豊富であることも多く、何よりも国内のIT人材は常に不足している状況で、優秀な人材は争奪戦となり、人件費も高騰しています。

海外に任せることに不安を覚える方もいらっしゃいますが、コミュニケーションさえしっかり取ることができれば、オフショア開発は人件費をおさえて高機能なシステムを開発することのできる非常に有益な開発手法です。まずは選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

海外に比べてDX推進が遅れている日本では、IT人材の数も不足しており、人件費の高騰が続いています。新しい開発手法が生まれても、日本国内においては開発事例の少なさ、エンジニアの少なさから、一般的になるには時間がかかるのが現状です。

 

一方、海外においては開発事例やエンジニアも日本に比べて多く、オフショア開発においては、開発環境や手法を指定できるほどエンジニアの数が豊富です。

 

オフショア開発を選択肢の一つとして検討することで、さらなるコスト削減にもつながります。オフショア開発についてお考えの際は、ぜひオフショア開発.comの専門コンシェルジュへの無料相談サービスをご利用ください。お悩みやご要望に最適な企業をご紹介するだけでなく、開発におけるトレンドなど最新の情報もご提供いたします。

この記事を書いた人

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オフショア開発.com 編集部

日本最大級の「オフショア開発」専門の発注先選定支援サービスとして、オフショア開発に関するご相談やお問合せを日々、承っております。


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