最終更新日:2025/02/03
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開発を進める際に、「オフショア開発」と「ニアショア開発」のどちらを選ぶべきか迷うことがあります。また、オフショアとニアショアの違いがわかりにくい、という方も少なくないようです。
どちらが良い悪いではなく、メリットとデメリットを把握した上で、プロジェクトの目的や予算、品質要求などによって使い分けることが重要です。本テキストでは、オフショア開発とニアショア開発の特徴や違いを比較しながら詳しく解説していきます。
オフショア開発とニアショア開発
開発においてはコスト削減や人材確保の観点から「オフショア開発」と「ニアショア開発」が引き続き注目されています。どちらを選択すべきかを判断するためにはそれぞれの特徴を理解することが重要です。
| オフショア開発
オフショアとは海外を意味する言葉で、オフショア開発は海外の企業や拠点にシステム開発を委託する手法です。比較的人件費の安い国が委託先となり、ベトナム、インド、フィリピンなどが人気です。以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 開発コストの削減:日本国内に比べて人件費が低いため、コストを大幅に抑えられる。
- 豊富なIT人材:開発技術者の数が日本国内より多く、特定の技術分野に強い企業が多い。
- 24時間開発体制:時差を活用し、日本の稼働時間外でも開発を進めることができる。
デメリット
- コミュニケーションの難しさ:言語や文化、商習慣の違いにより、意思疎通がスムーズにいかないことがある。
- 品質管理の課題:開発基準の違いや技術レベルの差により、品質の担保が難しい場合がある。
- セキュリティリスク:国外にデータを持ち出すため、情報漏洩のリスクが高まる。
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| ニアショア開発
ニアショアとは近くの海岸を意味する言葉で、ニアショア開発は日本国内の地方都市に開発業務を委託する手法です。オフショアほどではないにしてもコストを抑えつつ、国内で品質管理ができる点が特徴です。
メリット
- コミュニケーションが取りやすい:日本語でやり取りできるので意思疎通がスムーズ。
- 品質の安定性:国内企業が対応するため、日本の開発基準に沿った品質が担保される。
- セキュリティリスクが低い:国内開発のため、情報管理や法規制の面で安心感がある。
デメリット
- コスト削減効果が限定的:オフショア開発ほどの大幅なコスト削減は期待できない。
- 人材確保の難しさ:国内のIT人材不足が課題となる場合がある。
オフショア開発とニアショア開発の比較
オフショア開発 | ニアショア開発 | |
---|---|---|
どのような開発か | 海外で開発を行う | 自社の拠点から離れた国内の地方都市で開発を行う |
メリット | ・人件費の安価な国で開発を行うのでコスト削減が期待できる ・国内では不足している優秀な人材を活用できる ・時差を利用して24時間開発が可能 |
・人件費の安価な国で開発を行うのでコスト削減が期待できる ・国内では不足している優秀な人材を活用できる ・時差を利用して24時間開発が可能 ・国内であるため、言語など考慮する必要がない ・コミュニケーションがスムーズで現場を任せやすい ・セキュリティリスクがオフショアよりも低い |
デメリット | ・コミュニケーションがうまくいかないと進捗や品質に影響が出る ・セキュリティリスクがニアショアより高め |
・コスト削減はオフショアほどは期待できない ・国内はIT企業が不足しているため、優秀な人材確保が難しい |
オフショア・ニアショア開発の費用相場
オフショア開発やニアショア開発はコストを抑えるために使われることが多い手法です。となると、費用相場が気になるところですね。オフショア開発、ニアショア開発それぞれの費用相場について解説します。
| オフショア開発の相場
人月単価 | プログラマー | シニアエンジニア | ブリッジSE | PM |
---|---|---|---|---|
ベトナム | 39.4万円万円 | 48.3万円 | 59万円 | 70万円 |
フィリピン | 43万円 | 55.5万円 | 73.6万円 | 78.2万円 |
中国 | 44.4万円 | 58.3万円 | 65万円 | 75.3万円 |
ミャンマー | 26.9万円 | 41.9万円 | 55.6万円 | 66.9万円 |
バングラデシュ | 35万円 | 42.5万円 | 80万円 | 75万円 |
インド | 53.3万円 | 61.7万円 | 69.2万円 | 77.5万円 |
* 出典:「オフショア開発白書(2024年版)」
オフショア開発の相場は、国や職種によって異なります。オフショア開発で人気の高い6ヵ国(ベトナム、フィリピン、中国、ミャンマー、バングラデシュ、インド)のプログラマー単価は、1人月あたり約26万円~53万円です。
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| ニアショア開発の相場
プログラマー | シニアエンジニア | PM |
---|---|---|
52.8万円〜63.5万円 | 68万円〜75.2万円 | 85万円〜104万円 |
ニアショア開発の相場は一般社団法人ニアショア開発推進機構の「エンジニア単価情報レポート」ではプログラマーが52.8万円〜63.5万円、シニアエンジニアが68万円〜75.2万円、PMが85万円〜104万円となっています。
都市部に比べると若干のコスト削減は可能ですが、オフショア開発ほどの大幅な削減は期待できません。
オフショア開発とニアショア開発どっちが良い?
オフショア開発とニアショア開発のどちらが良いかは、プロジェクトの規模や内容、目的によって異なります。コストだけでなく、さまざまな要素を考慮して判断することが重要です。
| プロジェクトの規模
プロジェクトの規模で考えると、一般的には大規模プロジェクトがオフショア開発、小規模プロジェクトがニアショア開発に適していると言われています。
大規模プロジェクトならオフショア開発
プロジェクトが大規模な場合は、開発期間も長期間となります。そのため、オフショア開発のメリットの一つ、コスト削減効果の恩恵を最大限受けることができます。
また、海外には経験豊富で優秀なIT人材が多いため、多くのエンジニアが必要な場合にもオフショア開発が適していると考えられます。
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小規模プロジェクトならニアショア開発
小規模なプロジェクトであれば、開発期間をなるべく短くしてコストを削減した方が効率的です。そのため、コミュニケーションコストがかからないニアショア開発でスピード感のある開発を行う方がおすすめです。
| 外部委託の理由
開発を外部に委託する理由は何でしょうか?コスト削減なのか、人材なのか、自社では難しいからとにかくお任せしたいからなのか。
とにかくコストを抑えたい、または多くの人材が必要という場合はオフショア開発が適しています。開発工程をまるごとお任せしたい場合は、ニアショア開発の方がおすすめです。
開発コストを抑えたい・多くの人材を確保したい場合はオフショア開発
コスト削減を最優先する場合や、多くの開発リソースを確保したい場合は、オフショア開発が適しています。特に、最新技術を活用した開発プロジェクトでは、国内で多くのエンジニアを見つけるのは難しいため、海外の優秀なエンジニアを活用すると良いでしょう。
開発工程をまるごと任せたい場合はニアショア開発
開発の工程全体を委託し、スムーズな進行を求める場合はニアショア開発が適しています。特に、日本の開発基準や文化に準拠した開発が求められるプロジェクトでは、ニアショア開発のほうが安心です。
オフショア・ニアショア開発の注意点
オフショア開発、ニアショア開発のどちらを選択するにしろ、押さえておきたいポイントが2つあります。開発プロジェクトの成功率を高めるためにも、改めてそのポイントを確認しておきましょう。
自社のリソース・体制を明確化
オフショア開発、ニアショア開発どちらの場合でも、まずは自社の開発体制やリソースを明確にすることが重要です。
特に、オフショア開発はニアショア開発よりもコミュニケーションコストがかかりますから、事前に詳細な仕様を固めることで認識の相違を防ぐのはとても重要な工程と言えます。
| 実績豊富な開発会社に相談
オフショア開発やニアショア開発を成功させるには、開発会社の実績を確認することも重要です。過去の事例や評判、得意な分野なども確認し、適切な開発パートナーを選びましょう。
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まとめ
オフショア開発とニアショア開発には、それぞれメリット・デメリットがあります。プロジェクトの目的や要件に応じて、都度、最適な開発手法を選ぶべきでしょう。
開発を成功させるには質の高いリソースや人材の確保が欠かせません。特に国内で必要なスキルを持つ人材を見つけるのが難しい場合、オフショア開発が有力な選択肢となります。優れたオフショア開発企業と協力することで、リソースの不足を補い、プロジェクトの質と効率をさらに高めることが可能です。
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