最終更新日:2023/10/11
モンキーテストの完全ガイド:定義、他のテストとの違い、および最適な実施方法
アプリケーションやソフトウェアが機能するかどうかを確かめる重要なソフトウェアテストにはいくつかの種類があります。本記事では、ソフトウェアテストの一種であるモンキーテストの概要、他のテストとの違いやメリット、デメリットについて解説していきます。
実施方法やタイミングについても詳しく説明しますので、ぜひ参考になさってください。
|この記事でわかること
・モンキーテストの概要
・他のテストとの違い
・モンキーテストのメリット・デメリット
・実施方法やタイミング
モンキーテストとは?
ソフトウェアテストの一種である『モンキーテスト』はテスト設計も準備もせず、ソフトウェアや開発に関する知識やスキルがあまりない担当者によってその場の思いつきとランダムな操作で実施されるテストのことです。
|モンキーテストの定義と目的
モンキーテストは前述したようにランダムな操作で実施されるソフトウェアテストのこと。ランダムな操作を行うことで、開発側が想定していない操作から思わぬエラーが発生することがあるため、通常のテストでは発見できないバグや不具合を見つけることができます。
|モンキーテストと呼ばれる理由
通常のテストではテストする項目が決まっており、ソフトウェアの知識がある担当者がテストを行いますが、モンキーテストはテスト項目などは用意されず、知識のない担当者がランダムに操作を行って不具合を見つけます。
無作為で適当に操作をする様子がサルにテストを任せた様子に例えられ、『モンキーテスト』と呼ばれているようです。
アドホックテスト、探索的テストとモンキーテストの違い
モンキーテストと似たテストに『アドホックテスト』『探索的テスト』というものがあります。これらとモンキーテストの違いについて解説していきます。
|モンキーテストとアドホックテストの違い
『アドホックテスト』とは、公式なテストの準備をせずにテスト結果も予測せず場当たり的に実施するテストのこと。『アドホック(adhoc)』とはもともとラテン語で『特別の』『暫定的な』という意味を持つ言葉であり、英語でも『特にこのために』『その場しのぎ』といった意味で使われています。
テストの準備をせずに場当たり的に実施するのはモンキーテストと似ていますが、アドホックテストはモンキーテストほどランダムに操作は行わず、知識のある担当者が不具合などのあたりをある程度つけた上でテストを行います。
|モンキーテストと探索的テストの違い
『探索的テスト』とは、その名の通り探索しながら進めていくテストのことです。事前にテストケースを作成しないという点ではモンキーテストと似ているのですが、探索的テストでは直前のテストの結果を見て担当者がテストの内容を柔軟に調整していく点がモンキーテストとは異なります。
そのため、探索的テストを行う担当者には非常に高いスキルと知識が求められます。
モンキーテストのメリット・デメリット
ここまでモンキーテストの概要と他のテストとの違いについて解説してきました。この項では、実際に導入するにあたってモンキーテストのメリットとデメリットについても解説します。
|モンキーテストのメリット
モンキーテストの大きなメリットは、通常のテストでは見つけることができないバグやエラーを発見できるところです。特に高齢者や子どもは通常の使い方では思いもよらない操作をすることも多く、そういった層が利用するサービスであればよりユーザーに寄り添った製品となるでしょう。
また、テストに準備を要しないため、すぐに始められるというのも大きなメリットです。
|モンキーテストのデメリット
モンキーテストのデメリットとしては、バグやエラーを再現しづらいということがあげられます。ランダムな操作で不具合を見つけるため、何をして不具合が出たのかわかりにくいことがあるのです。こちらの対策については次項で解説します。
また、ランダムな操作で行うテストであるため、モンキーテストを行っても必ずバグやエラーを見つけることができるとは限りません。
効果的なモンキーテストの実施方法
より効果的なモンキーテストを行うために知っておきたい、実施者の選び方や最適なタイミングなどについても確認しておきましょう。
|実施者の選び方
アドホックテストや探索的テストと異なり、モンキーテストには開発に関するスキルや経験は必要ありません。むしろ、仕様などを全く知らない第三者にテスト実施者となってもらうことがより効果的なテストとなります。
|モンキーテストの最適な実施タイミング
モンキーテストは通常のテストでは見つからないバグやエラーを見つけることが目的ですから、一般的に、単体テストや結合テストなど通常のテストが完了したタイミングで行います。
|バグの再現性に関する考慮点
前述したように、ランダムな操作でバグやエラーを見つけるモンキーテストは、通常のテストのように記録を正確に残すのが難しく、バグを再現できない可能性があります。
テスト担当者が操作を覚えておくのがベストではありますが、テストの様子を記録できる録画ツールなどを活用し、手順を再現できるよう考慮すべきでしょう。
モンキーテストを実施する際の注意点
先述したように、モンキーテストはテストの準備や手順書などを作成せず、ランダムで操作を行うため、思うような効果が得られないことや、モンキーテストの実施によってバグやエラーが見つからなくてもソフトウェアの品質が高いという評価にならないことなど、他のテストとは異なる点が多いソフトウェアテストです。
とはいえ、製品の品質を底上げする非常に重要なテストであることは確かですから、その特性を理解してテストを行うといいでしょう。
まとめ
今回はモンキーテストについて解説しました。近年、さまざまな開発手法が生まれ、開発には当たり前のようにスピード感が求められる時代となっています。しかし、国内のIT人材不足は慢性的なものとなっており、開発にあたって人材を確保するのも一苦労という企業も多いのではないでしょうか。
経済産業省が「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」を取りまとめたのは2018年のこと。
日本においてDX化が急務と言われてしばらく経ちましたが、デジタル化は進んでいてもトランスフォーメーションはなかなか進んでいないのが現実のようです。
DX人材の育成を積極的に進めている大手企業も増えてはいますが、育成にはコストも時間もかかるもの。国内のIT人材不足はまだまだ深刻な時代が続きそうです。
1970年代から始まったと言われるオフショア開発は、当初はコスト削減が大きな目的でしたが、近年ではコスト削減だけでなく、優秀な人材を確保する方法の一つとして選択されることも増えており、開発のスピードアップやDX化の推進にも一役買っていることも多いようです。
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