公開日:2024/02/07 最終更新日:2024/02/07
チャットGPTの危険性とは?情報漏洩のリスクや注意点を解説
OpenAI社が2022年に公開した人工知能チャットボット『ChatGPT(以下、チャットGPT記載で統一)』はその回答精度の高さと使いやすさから瞬く間に利用者が急増しました。
巷にはチャットGPTの使い方や、チャットGPTを活用してさまざまなコンテンツを作る方法など、多くの情報が溢れかえっています。
多くのユーザーに歓迎されているチャットGPTですが、ディープフェイクに利用されたり、犯罪に使われたりといった危険性や個人情報の収集問題など、不安な要素も多々指摘されています。
本テキストでは、チャットGPTの危険性やリスク、注意点などについて解説していきます。
チャットGPTとは?
冒頭でも少し触れた通り、チャットGPTとはOpenAI社が2022年に公開した生成AIの一種であり、人工知能チャットボットのことです。『GPT』とは『Generative Pre-trained Transformer』の略であり、『事前学習済みの生成変換器』といった意味を持ちます。
チャットGPTは何ができる?
チャットGPTは人間の対話を模倣するだけでなく、創作活動やプログラミング、マルバツゲームの相手をすることができます。また、それまでのほとんどのチャットボットが一問一答型で過去の入力を記憶しないのに対し、チャットGPTは過去の入力内容を記憶しており、より利用者に最適な回答を出力できることも話題になりました。
チャットGPTは無料で使える?
チャットGPTは無料でも利用することができますが、無料プランの場合は利用できる言語モデルが旧式の『GPT-3.5』となります。有料プランに登録することで、より出力精度が向上した『GPT-4』バージョンの生成AIを体験することができます。
無料版と有料版では利用回数の制限や回答の速度にも違いがありますし、無料版の場合は一度で生成できるテキスト数が2000文字程度に対して、有料版は4000文字程度になるなど、生成するテキスト数の制限もプランによって異なります。
また、プラグインは有料版しか使えません。無料でも生成AIの便利さや楽しさを体験することはできますが、有料プランに登録することでより幅広く深く生成AIを活用することができます。
チャットGPTの危険性や抱えるリスクとは
チャットGPTがどのようなものか、改めて確認したところで、その危険性やリスクについても解説していきます。チャットGPTの危険性やリスクとして指摘されているのは主に『情報漏えいの潜在的リスクと対策』『不適切な発言や誤った情報拡散のリスク』の2点です。
では、それぞれの危険性とリスクについて確認しておきましょう。
情報漏えいの潜在的リスクと対策
外部のサイトやアプリケーションに質問内容を入力するという性質上、チャットGPTにはどうしても情報漏えいの危険性が伴います。実際に起きたケースでは、Amazon社内の機密プログラムがチャットGPTの回答として表示されてしまったということがありました。
そのため、チャットGPTを利用禁止としている企業も増えています。
チャットGPTを導入するにあたっては、チャットGPTに入力するデータをじゅうぶんに選定し、個人情報や機密情報は入力しないことを徹底すべきでしょう。
不適切な発言や誤った情報拡散のリスク
チャットGPTが表示する回答は、必ずしも正しいとは限りません。筆者のまわりでも、「おすすめのカフェを聞いたら、回答の9割が存在しないカフェだった」「Web広告の適切なターゲティングについて質問したら、存在しないターゲティングをおすすめされた」といったケースが非常に多くありました。
チャットGPTがリアルタイムの情報ではなく古いデータを利用して回答を生成していることや、他者が入力した誤った情報を学習してしまったなどの理由が考えられますが、相手がチャットGPTでなくても、伝聞は必ずファクトチェックするというのは当たり前のことですので、チャットGPTの回答だからと鵜呑みにしたり、そのまま拡散したりしないようにしましょう。
チャットGPTの安全な使用方法
さまざまなリスクを抱えたチャットGPTではありますが、使いこなせればこれほど強い味方もありません。前項と重複する部分もありますが、改めてチャットGPTを安全に使う方法について解説します。
企業におけるセキュリティ対策
まず、チャットGPTに限らず、ITを活用するということは業務を効率化できる反面、セキュリティに関するリスクも生み出してしまうことを念頭に置く必要があります。
その上で、社内の情報資産を守るための対策を講じなければなりません。
チャットGPTを安全に使うには、情報の持ち出し禁止や、セキュリティソフトの導入、活用するソフトウェアの権限管理など、基本的なセキュリティ対策を万全にしておくことが第一歩と言えるでしょう。
個人データ保護の重要性
個人データの保護は、コンプライアンスの観点からも、顧客からの信頼を確保するという面からも非常に重要なことです。
前述したように、チャットGPTを通して別の利用者に機密が漏えいしてしまう可能性を考えると、チャットGPTに個人データや機密情報は絶対に入力すべきではありません。
チャットGPTが各所に与えるさまざまな影響
チャットGPTは非常に便利なツールですが、同時に利用することによってさまざまなリスクを生み出すものでもあります。チャットGPTの懸念点をはじめ、各所に与えるさまざまな影響について解説します。
AI技術の進歩とその影響
チャットGPTはこれまでのチャットボットにはないレベルの回答が可能となった生成AIですが、今後も学習を深めていくことでさらに高度な解答や文章作成、コードの作成などができるようになっていくと考えられます。
そのため、検索エンジンやカスタマーサポートがAIにとってかわる可能性も指摘されています。
ユーザーと社会への影響
誰でも気軽に使うことができるチャットGPTですが、悪意を持ったユーザーが使用することで社会に悪影響を与える可能性も懸念されています。例えば詐欺に活用されたり、ディープフェイク作成に活用されることもそうですし、差別や偏見に満ちた情報を学習することによって社会的な問題を引き起こす可能性もあるでしょう。
まとめ
日本企業のDX化が急務と言われてすでに数年が経ちました。デジタル化は進んでいる一方、トランスフォーメーションはなかなか進んでいない企業もまだまだ存在します。そんな中で今回解説したチャットGPTのような、誰もが簡単に使える生成AIの登場はDX化にも役立つ明るいニュースの一つと言えるのではないでしょうか。
とはいえ、このような便利なツールにはさまざまな危険性やリスクがある以上、ITスキルを持った人材によって適切に扱われるべきとも言えます。
世界的パンデミックの影響でIT化が加速し、DX人材の育成を積極的に進めている大手企業も増えてはいますが、育成にはコストも時間もかかります。
国内のIT人材不足は深刻な状況が続いており、海外のITアウトソーシングを活用する企業も増加しています。
海外への委託と言えば『オフショア開発』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。1970年代から始まったと言われているオフショア開発は、当初はコスト削減を目的として利用されていましたが、近年は優秀な人材を確保する方法の一つとして選択されることも増えてきました。さまざまな開発手法を熟知した経験豊富な人材を国内だけで探すのは難しくても、海外に目を向けることで優秀な人材に出会うことができるからです。
「オフショア開発. com」は、厳正な審査を通過した、オフショア開発企業が多数パートナーとなっております。
オフショア開発、外国人材採用に関する専門スタッフが、無料で御社のお悩みにお答えします。お悩み、ご相談などありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
企業選定にお困りでしたら、オフショア開発. comの専門スタッフが無料相談を受け付けていますので、お気軽にご利用ください。
- 工数とは?ビジネスにおける意味や計算方法・おすすめツールを解説
- 進捗状況の確認の方法は?マナーや注意点、進捗管理のツールも紹介!
- リスクヘッジとは?意味やビジネスにおける使い方をわかりやすく解説!
- クリティカルパスとは?意味や求め方・工程表の書き方をわかりやすく解説!
- チームとグループの違いは?チームワーク強化のメリットやポイント、方法も解説
- チームビルディングゲーム10選|チーム力を高めるおすすめゲームを紹介
- OKRとは?企業導入の具体例から設定方法のポイントまで簡単に解説!
- 効果的なRFPの書き方と成功するためのポイント
- バリューチェーンとは何か?基本と重要性を解説
- デザイン思考のすべて:基礎から実践までの完全ガイド
- ビジネスモデルとは|事業の設計図
- データドリブンとは – 意思決定を変革する新たなアプローチ
- ベンダーとは – IT業界の基礎知識
- シンギュラリティとは?2045年問題や社会への影響について解説!
- ICTとは?基本から最新の活用事例まで詳しく解説!
- IoTとは?基本概念から活用事例、導入方法まで徹底解説
- SIerとは?SESの違い、業界別分析、適性とスキル、業界の未来
- Linuxとは?種類やインストール方法まで紹介
- テスト実施の流れ -準備と実施手順-
- Vue.jsとは?Web開発を効率化するJavaScriptフレームワークの魅力を徹底解説!
- ディープラーニングとは?人工知能の進化を支える革新技術をわかりやすく解説!
- NFTゲームとは?遊びながら稼げるゲームの魅力を徹底解説!
- 【初心者向け】web開発とは?学習方法や必要なスキルを徹底解説!
- オフショアとは?意味やビジネス利用時の具体例を解説!
- オンショアとは?オフショアとの違いやポイントを解説
- iOSアプリ開発のための主なプログラミング言語を紹介
- 請負開発とは?メリットとデメリットを詳しく解説!
- チャットGPTの危険性とは?情報漏洩のリスクや注意点を解説
- フロントエンドとバックエンドの違いは?おすすめのプログラミング言語を解説
- アドホックテストとは?全貌と効果的な活用法
- レグレッションテストとは?効率的なテスト戦略の構築と実施方法
- 【ITアウトソーシング完全ガイド】メリット・デメリット・成功への鍵
- アプリ開発言語の完全ガイド:最適な言語の選び方とその特徴
- システム開発の工程とは?最新の方法とその特徴を徹底解説
- V字モデルの基本と活用方法:詳細ガイド
- モンキーテストの完全ガイド:定義、他のテストとの違い、および最適な実施方法
- オンサイトとは?その意味、メリット・デメリット、他の用語との違い
- Spring Frameworkとは?Java開発者のための完全ガイド
- CI/CDとは?その重要性と現代開発における役割
- デプロイとは?その定義、種類、自動化のメリットを解説
- SSO(シングルサインオン)とは|認証の仕組みとメリットデメリット
- ウォーターフォール開発とは|メリット・デメリット&アジャイルとの比較
- オフショア開発の検討と活用が加速する!ベトナム現地視察レポート
- DAO(分散型自律組織)とは?将来性や仕組みを事例を通してわかりやすく紹介
- チャイナ・プラスワンとは|IT業界はベトナムが最右翼か?!
- SESとは?持続可能な内製化に向けたオフショア活用の可能性
- 中小企業の物流DXを加速する…WMS(倉庫管理システム)とは?
- マイグレーションとは?マイグレーションを阻む課題と解決策
- 基幹システムとは|DXに伴い基幹システムはクラウド化すべきなのか?
- 受け入れテスト(UAT)とは|重要項目・課題・注意点・実施方法
- クロスプラットフォームのメリット・デメリット|トレンドとアプリ開発事例
- 金融業界におけるDXの課題と取り組み事例
- 予約システム開発|開発方法の比較と費用を抑えるためには
- Unity開発でおすすめのオフショア開発企業 3選
- サーバーレスとは?メリットデメリットを事例も交えて解説
- 開発手法比較でわかるプロトタイプ開発|メリットデメリットと向いている開発案件
- ネイティブアプリとは?ハイブリッドアプリ・Webアプリ開発との比較
- AI開発でおすすめのオフショア開発企業 4選
- Go言語(golang)とは?できること、将来性、アプリ事例を紹介
- SPA(シングルページアプリケーション)とは?開発事例やメリットデメリット
- EdTech(エドテック)とは?注目される背景、市場感、取り組み事例を紹介
- 組み込みシステム開発でおすすめのオフショア開発企業 5選
- スクラッチ開発は時代遅れ?パッケージ開発との比較とメリットデメリット
- SaaSの開発方法とは?SaaSビジネスの市場規模やビジネスモデルを解説
- JavaScriptフレームワークまとめ(React・Angular・Vue比較)
- SAP アドオン開発(ABAP)でおすすめのオフショア開発企業 5選
- APIの仕組みと使い方をわかりやすく解説!連携で活用できる機能・事例
- デザイン思考とは?DX時代における企業の取り組み事例も紹介
- それぞれの特徴は?AWS・Azure・GCP 3大クラウド比較!
- React Nativeのアプリ開発が強いオフショア開発企業 5選
- PM(プロジェクトマネージャー)人材育成のプロによる、「PM力の鍛え方」
- Flutterのシステム開発でおすすめのオフショア開発企業 4選
- プロジェクトマネジメントとは?求められるスキル、PM手法、ツール、資格
- 画像解析の基礎知識|仕組み、活用事例・サービス、開発ツール
- NFT(非代替性トークン)とは?ブロックチェーンとの関連や活用事例
- Pythonのシステム開発でおすすめのオフショア開発企業 5選
- スクラム開発とは?アジャイル開発との違いやメリットを解説
- オフショア開発におけるコミュニケーションの課題と解決方法
- アプリ開発で起業|重要なマネタイズプランとエンジニアいない問題
- 24/365とは?システム運用と保守との違いも解説
- ニアショアとは?オフショア開発との違い&メリットデメリット
- RFPとは?提案依頼書を作る意味と書き方を解説
- エンジニア・DX人材採用における課題と人材確保のポイント
- PHPのシステム開発が強いオフショア開発企業 6選
- Rubyのシステム開発でおすすめのオフショア開発企業 4選
- MVP開発とは?ビジネス上のメリット・デメリットと事例
- 海外エンジニア&オフショア開発活用が必須!「AI開発」のメリット・ポイント・成功事例
- DXで進むシステム内製化の動き|メリット・デメリットと課題
- ローコード開発とは?メリットデメリットやおすすめのツール
- パッケージシステムとは?スクラッチ開発との比較
- アプリ開発の進め方は?アプリの種類とメリット・デメリット
- ブロックチェーンとは?業界別・国別の事例やトレンドも紹介
- システム開発・アプリ開発の見積もりの見方|妥当性・見積り根拠を見極めるポイント
- 【発注前に要チェック】システム開発会社の選び方|発注先の選定プロセスと注意点
- 要件定義とは?|開発の失敗を防ぐための基礎知識
- PWAとは?ネイティブアプリとの違い・メリットデメリット・導入事例
- PoC開発とは|システム開発上のPoCの目的・メリットデメリット
- クラウドとオンプレミスの比較|それぞれの違いとクラウド移行のメリット
- Uber、With、Airbnbなど、ニーズ急増!マッチングアプリ/サービスのオフショア開発(メリット・注意点・成功事例)
- RPA導入を成功させるために知っておくべきメリットデメリットや導入の進め方を解説
- 【2021年最新版】システムテスト / ソフトウェアテストが強いオフショア開発企業 4選
- アジャイル開発とは?|適したプロジェクトと契約形態も解説
- ノーコード(NoCode)とは|メリットデメリット&今後のIT開発の展望
- チャットボットの開発方法とは?|導入事例・導入メリット
- DX人材とは?|迫る「2025年の崖」DX人材育成・確保のポイントは?
- レガシーシステムとは?|脱却できないと生じる問題点やリスク
- DXとは?|推進するために取り組むべき課題
- ポストベトナムはどの国に? オフショア開発「新興国」ランキング
- IT人材を確保するためには?!IT人材不足の現状と今後の見込みも解説
- Rubyとは?PHPとの違いやRuby on Railsを解説!
- 組み込み開発の基礎知識|最新動向とIoTとの関連も解説
- 【基礎知識】PHPとは|PHPでできること / 向いている開発案件
- CMSの基礎知識|開発会社選定のポイントも解説
- 【ラボ型推奨】オフショアでのパッケージソフトウェアシステムの開発・カスタマイズ
- アプリ開発の費用や期間 | 開発会社を選ぶポイントとは?
- なぜ「ソフトウェアテスト」は必要なのか?|オフショア開発成功の鍵
- VR/ARのオフショア開発について
- 失敗しないオフショア開発会社の選び方
- オフショア開発で失敗する原因は?注意点と改善・対策
- 【失敗事例から学ぶ】オフショア開発成功のカギ
- オフショア開発の準委任契約とは
- オフショア開発の課題・問題点
- オフショア開発の成功事例
- オフショア開発の現状・動向
- オフショア開発のITエンジニア(IT技術者)の特徴