公開日:2023/12/04 最終更新日:2023/12/04

アプリ開発言語の完全ガイド:最適な言語の選び方とその特徴

スマートフォンや高速インターネットが普及し、『アプリ』『アプリケーション』という言葉もすっかり一般的なものとなりました。今やさまざまなアプリが私たちの生活に浸透していると言っても過言ではありません。
多くのアプリが存在するということは、その数だけ開発プロジェクトも存在したということ。今回はアプリの開発に必要不可欠なアプリ開発言語について解説していきます。

 

|この記事でわかること

 

 ・アプリ開発言語の基礎知識

 ・iOS、Androidそれぞれのアプリ開発におすすめの言語

 ・クロスプラットフォーム開発やゲームアプリ開発におすすめの言語

 ・どの言語を選ぶべきか

アプリ開発言語の基礎知識

アプリケーションを開発するために使用される開発言語にはさまざまな種類があります。その数は250以上とも言われており、開発の目的やアプリの特色などによって適した言語は異なります。

近年利用されているアプリケーションは大きく分けて『Webアプリ』『ネイティブアプリ』『ハイブリッドアプリ』の3種類ですので、まずはこれらについて簡潔に説明します。

|Webアプリ

Webブラウザ上で動作するアプリです。ブラウザがあれば使えるので、OSや端末の種類を問わないのが大きなメリットです。
デメリットとしてはインターネット環境が必要であることや、動作が回線速度の影響を受けることが挙げられます。

|ネイティブアプリ

ネイティブアプリとはGoogleやAppleのストアからダウンロードするアプリに代表される、端末にインストールして使用するアプリのことです。

それぞれのOS専用に作られるため、例えば位置情報やカメラ機能など端末やOSの機能を活用することができます。回線速度の影響も受けにくく、読み込みや起動も速いですが、GoogleやAppleのストアを通してリリースするため、ストアの厳しい審査をクリアする必要があります。

ネイティブアプリについては下記の記事も参考になります。Webアプリやハイブリッドアプリとの違いについても書かれていますのでご一読ください。

ネイティブアプリとは?ハイブリッドアプリ・Webアプリ開発との比較

|ハイブリッドアプリ

ハイブリッドアプリはWebアプリとネイティブアプリの特性を併せ持つアプリのことです。WebアプリのようにOSを問わないアプリで、インターネット環境を必要としますが、ネイティブアプリと同じようにOSの機能を使うことができます。

このように、アプリと一言で言ってもさまざまな特色を持つアプリがあるため、アプリの種類やOSによって適した開発言語も異なってきます。

iOSアプリ開発におすすめの言語

日本国内のスマートフォンのOSシェアは2022年まではiOSが圧倒的に多かったのですが、近年はGoogle Pixelシリーズの売れ行きなどに押され、日本ではiOSとAndroidのシェアはほぼ半々となっています。

日本国内で使うアプリを開発するなら、iOSはまだまだ外せないOSと言えます。まずはiOSアプリ開発を行うなら必ずおさえておきたい『Objective-C』と『Swift』を解説します。

|Objective-C

Apple社がiOSを対象としたソフトウェア開発の標準言語としている開発言語の一つが『Objective-C(オブジェクティブシー)』です。C言語をベースにオブジェクト指向化した上位互換言語であり、C言語の記述をそのまま活用することもできます。

C言語をオブジェクト指向化、と言えばC++を思い浮かべる方が多いと思いますが、『Objective-C』はスティーブ・ジョブズ氏がApple社から離れていた時期に創業したNeXt社が商標と権利を取得していた言語であり、ジョブズ氏がApple社に復帰した際にこの言語によって開発されたNeXTSTEPをベースにMacOS Xが生まれたという背景もあり、2008年にはiOSアプリの公式開発言語となっています。

|Swift

SwiftはWorldwide Developers Conference 2014でMac OS X Yosemiteと共に発表された開発言語であり、難解だったObjective-Cに比べてよりわかりやすく書きやすい言語となっています。また、Objective-Cのコードを組み込むのも容易であり、処理速度もObjective-Cの2倍以上と高速になっています。オープンソースであることも大きな特徴です。
コーディングを行いながら動作確認をリアルタイムで行うことができる機能『Playgroud』を備えており、開発をより効率化することができるようになりました。

Swiftの方が開発言語としてはObjective-Cよりも後発であり新しい言語ということもあり、Objective-Cの欠点を補い、より効率的な開発言語となっていますが、Swiftでは開発が難しい部分をObjective-Cで開発するなど、Objective-Cもまだ必要とされている言語ですので、Apple社製品を開発するのであれば両方おさえておくのがベストと言えます。

Androidアプリ開発におすすめの言語

日本ではiOSユーザーがまだまだ多いですが、近年はAndroidのシェアも増加傾向にあります。海外では以前からAndroidシェアが圧倒的ですから、スマートフォンアプリの開発を行う際にAndroidを無視することはできません。
この項では、Androidアプリ開発を行う際におさえておきたい『Java』『Kotlin』『C#』について解説していきます。

|Java

C言語がベースとなっている開発言語であり、Google社が開発で使用する三大言語(Java、C++、Python)の一つです。1995年にSun Microsystems社が開発したものであり、現在はOracle社が提供しています。
オブジェクト指向型の開発言語であり、汎用性が高く機能も充実しており、安定性も高い上に、OSを問わず使えるため人気の高い言語です。

|Kotlin

2011年に登場した開発言語であり、それまでAndroidアプリの開発に使われていたJavaをさらに使いやすく改良した言語です。そのため、Javaとの相互利用が可能となっています。
それまで使われていた言語をさらに使いやすくし、かつ相互利用が可能という点ではObjective-Cに対するSwiftの位置づけと似ていますね。

KotlinはNull参照によるエラー『NullPointerException』を防ぐ文法となっており、エラーが起きにくいというのが長所の一つです。

Android公式開発言語となっており、LINEやUberなどのアプリがKotlinで作られています。

|C#

Microsoft社が開発した言語で、Windowsを対象とした開発に使われることが多い言語ですが、その他のOSにも対応しています。Javaと文法が似ているためJavaを学習していれば使いやすい言語と言えるでしょう。統合開発環境の『VisualStudio』を利用できるため、アプリ開発にも向いています。

クロスプラットフォーム開発におすすめの言語とフレームワーク

ここまでアプリのOSごとにおすすめの開発言語を解説してきましたが、近年は一つの開発言語で別のOS上で同じように動作させることができるクロスプラットフォーム開発が登場しています。この項ではクロスプラットフォームにおすすめの言語とフレームワークについて解説していきます。

クロスプラットフォームについては下記の記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひこちらも参考になさってください。

クロスプラットフォームのメリット・デメリット|トレンドとアプリ開発事例

|FlutterとDart

Flutterは2018年に登場したモバイルアプリ用のフレームワークであり、Flutterを使った開発において使われる開発言語がDartです。FlutterとDartはいずれもGoogle社が開発したものであり、Dartは開発言語としては比較的マイナーな言語だったのですが、Flutterへの注目度が上がると同時にDartへの注目度も上がっています。

FlutterはiOSとAndroid両方にコードを対応させる変換機能があります。OSに依存する機能については個々に実装する必要があるようですが、開発効率を大幅にアップさせることができるのは間違いありません。

|React NativeとJavaScript

React NativeとはMeta社が提供するJavaScript開発用のフレームワークであり、AndroidやiOS、Webアプリに活用されます。JavaScript開発用なので、使用する言語はJavaScriptとなります。

Flutterと同様、一つの開発で同時に異なるOSの開発を進めることができます。ソースコードを保存する際に自動で変更が反映されるホットリロード機能など、便利な機能で開発を効率化することができます。

JavaScriptのフレームワークについては下記の記事にも詳しくまとめられていますのでご一読ください。下記記事で解説しているReactはフレームワークではなくライブラリでありReact Nativeとは異なりますが同じMeta社が提供しているJavaScript開発向けのライブラリです。

JavaScriptフレームワークまとめ(React・Angular・Vue比較)

Webアプリ開発におすすめの言語とフレームワーク

Webアプリとは先述した通り、Webブラウザ上で動作するためOSや端末の種類を問わないアプリです。この項ではWebアプリの開発におすすめの言語について解説します。

|JavaScript

前項でも触れたJavaScriptはフロントエンドで動作する開発言語であり、汎用性が高く人気の高い言語ですが、単体では複雑な処理が難しいため、PHPやHTMLとの組み合わせで活用されています。近年はさまざまなフレームワークも登場し、Webアプリをはじめ、多くのアプリの開発に役立っています。

|Ruby on Rails

Ruby on Railsは開発言語Rubyのフレームワークです。Rubyは日本人が作った日本製の開発言語ですが、Ruby on Railsを作ったのはデンマークのプログラマーで、2004年に登場したこのフレームワークはさまざまなフレームワークに影響を与えたとも言われています。

Ruby on Railsは「同じことを繰り返さない」という理念のもと作られており、重複したコードを使わないように作られています。このフレームワークを使うだけでさまざまなアプリケーションを作ることができます。

応用力が高いのが大きな特徴のフレームワークであり、操作と処理、制御と役割を3つに分けることで開発を効率化することができます。

Cookpadや現XであるTwitterもこのフレームワークを使って開発されました。

ゲームアプリ開発におすすめの言語とゲーム開発エンジン

近年、ゲーム市場は拡大し続けており、多くのゲームアプリが日々誕生しています。ゲームアプリ開発におすすめの言語とその環境についても確認しておきましょう。

|UnityとC#

『Androidアプリ開発におすすめの言語』でも解説したC#はMicrosoftが開発した言語であり、ゲーム開発エンジンであるUnityを活用したアプリケーションも多く作られています。UnityとC#で開発された代表的なゲームとしてはポケモンGoが挙げられます。

スマートフォン向けゲームだけではなくNintendo Switchなどの家庭用ゲーム機向けのゲームも作ることができます。

|Unreal EngineとC++

Unreal EngineとはUnityと双璧をなすゲーム開発エンジンであり、こちらは開発言語としてC++を使います。Unityよりも大規模な開発が得意であり、プログラミングに詳しくなくても視覚的にスクリプトを追加できるブループリントという機能が特徴的です。

FortniteなどがUnreal EngineとC++で作られている代表的なゲームです。

どのプログラミング言語を選ぶのが良い?

開発言語はそれぞれさまざまな特徴を持っています。この記事ではOSやアプリの種類などからおすすめの言語を紹介しましたが、もちろんそれ以外の言語でアプリを作ることもできます。

開発言語が持っている特徴や強み・弱みを踏まえた上で、作りたいアプリに合わせて開発に活用する言語を選定する必要があります。

外注の利用も検討できる?

すべての言語に精通し、使いこなせるエンジニアが社内にいるのなら外注の必要はありませんが、そういったケースはおそらく少ないでしょう。

開発言語の種類は膨大であり、作りたいアプリに適した開発言語を社内エンジニアが習得していない場合は外注も選択肢に入れた方が効率的です。国内のIT人材だけでなく海外の人材にも目を向けた方が、より多くの人材を比較検討できるでしょう。

まとめ

DX化が急務と言われてしばらく経ちますが、日本企業のデジタル化は進んでいる一方、トランスフォーメーションはなかなか進んでいないようです。
DX人材の育成を積極的に進めている大手企業は多いものの、育成にはコストも時間もかかります。中小企業の場合、大手ほどは育成にコストをかけられないため、国内のIT人材不足はまだまだ深刻な状況です。

オフショア開発は1970年代から始まったと言われており、当初はコスト削減を目的として利用されることがほとんどでした。
近年では優秀な人材を確保する方法の一つとして選択されることも急増しています。さまざまな開発手法を熟知した経験豊富な人材を国内だけで探すのは非常に困難なことですが、海外に目を向けることで優秀な人材に出会うことができるからです。

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オフショア開発.com 編集部

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